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シェアハウスの本当の価値は、ここで得る学びと成長
 

絆家シェアハウスは、元祖絆家シェアハウス(※1)のオープニング立ち上げ時に出会いました。当時、25歳を過ぎて、それまでずっと実家で暮らしていたのですが「そろそろ一人暮らしでもしたいなあ」と、一人暮らしのことをリサーチしていたんです。その時にはじめて「シェアハウス」というものを知りました。その頃はたしか東日本大震災があった年。「絆」なんて言葉が流行語大賞に選ばれてた年です。いまでは「シェアハウス」と聞けば当たり前に認知されていますが、当時は「シェアハウス?なにそれ?」という人がほとんど。もしくは「外国の人が住む場所」というイメージが強かったと思います。私も「なにそれ?」といったかんじでした。
 
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▲当時あった、絆家シェアハウス。元祖絆家は15名前後のハウスで、カラフルなその外観はみんなでDIYしたもの。
 
 
ーどうして一人暮らしでなく、シェアハウスという選択をしたのですか?
 
 
どちらにするかとても悩んだのですが、絆家シェアハウスを選択した理由は自己成長できる場だと確信したからです。
当時わたしは外資コスメ会社で働いていました。仕事がとても好きで、ここでのキャリアアップをモチベーションに日々過ごしていたんです。当時は成長して出来ることが増えることが楽しくて、本を読んだりコーチングを勉強したり…とにかく仕事のことばかり考えていた気がします。
 
そんな中出会ったのが絆家シェアハウスだったんです。「シェアハウス」自体もわたしの価値観では新しいものだったのですが、絆家の暮らし方はもっと新しく、ある意味衝撃的なものでした。 
発起人の平岡雅史が、「100人シェアハウスを実現したい!」という夢を持ち、その夢にひかれた数人のメンバーが集まったのですが、そのメンバーがとても濃い。一級建築士、デザイナー、システムエンジニア、独立支援を行うフリーランス、パティシエ、動画クリエーター・・・職業も年齢もバラバラ、勿論考え方も個性もバラバラです。もちろん、育ってきた環境もバラバラ、価値観もバラバラ。そんなバラバラの人たちが、いきなり一緒に暮らし始める。バラバラすぎて、話がてんで、かみ合わないんです。こんな違う人たちと一緒に生活をするなんて、一体どんな生活になるんだろうか?と想像がつかないワクワク感がありました。
 
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▲元祖絆家での、日常の一コマ。
 
 
同時に、当時の仕事では中間管理職としてリーダーシップとマネジメントを学んでいたのですが、リーダーの意見が絶対だというようなトップダウン型のリーダーシップや人材育成の取り方に疑問を感じていました。当時の会社ではカリスマ的な存在感のあるトップダウン型のリーダーシップが評価されていたことがあり、その上司の下で働いている部下のほとんどが、まるで上司の分身のような思考・能力・雰囲気となっていたんです。上司が白といえば、白になる。黒といえば、黒になる。違う人はそこにはいれないような、そこにすごく違和感を感じていました。その人の個性に合わせてやり方は多数ある、それこそ人が10人いたら10通りのやり方があるはず。最終判断はトップが行うものかもしれないけれど、そこに至るまでの意見のぶつけ合いや違う意見に何故と耳を傾ける、その過程はとても大切なんじゃないかと思っていました。
だけど、当時のわたしにはだからといってどんなリーダーシップや人材育成をすれば良いのか、わからなかった。でも、確実に違和感があった。それこそ今ではよく言われていますが、多様性や個性・価値観が尊重され個々が持っている能力が最大限に引き出せるような、そんな人材育成ができる管理職になりたい。そんな風に思っていました。
 

 
そんな中で出会ったのが絆家シェアハウスだったんです。
勿論、シェアハウスなので仕事とは違いますが、こんなに違う人たちと一緒に暮らす中で、どんな化学反応が起きるのか、それはどうやって起きるものなのか、その過程にすごく興味を持ちました。「違う」ということがすごく魅力的だったんです。そこから学んで、仕事に活かせることがあるのではないかと、なんとなく直感でひらめいたんです。

 

好きな人も苦手な人もいた。苦手な人からこそ、学べることがある。

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▲当時、一番はじめにすんだのはドミトリー部屋。女子4人の共同部屋自体も、新しい価値観での暮らし方。

 
とはいっても、言うのは簡単。実際どうなのかというと、その「違い」って、煩わしさを感じたり、苦手意識を感じたり、できたら無い方が良いと思ってしまうもの。わたしも実際にそうでした。「違いこそ、多様性こそ素晴らしい!」なんて豪語しつつ、実際に自分と全く異なる意見をぶつけてくる人や違う雰囲気の人を苦手に感じることがありました。
特にシェアハウスだと、「生活の場」なので、仕事よりも友達関係よりもより近い存在だからこそ、その違いに目がいきやすいんです。「どうしてこの人はこんな発言をするのだろうか?」「なぜこの人はこんな態度をとったのだろうか?」「なぜこの人はわたしに冷たいんだろう」、とか(笑)
 
シェアハウスに暮らしていても、1度だけありました。ある人と、どうしても合わないんです。
友人関係だったら、深く考えなくても会わなければ良いだけ。だけどシェアハウスは毎日会う関係性。これは大変です。(笑)
あれだけ、違いを尊重して個々の能力を最大限に!なんていいながら、たった一人の人と上手くいかないなんて。この時の出来事は、わたしにとって深く強く学びになりました。
 
この時の学びから得たことは、3つありました。まず人は変えられないということ。それから「なんで?」と思ったことは事実だけを捉えてその人の背景やその発言の前後を知ること。そして相手と直接話してまず自分から相手を理解すること。
 
1つ目の「人は変えられない」は、相手にもっとこうしてくれたらいいのに・・・や、なんであの人はこうしてくれないんだろう・・と思うとその人へフィルターがかかってしまうことを知ったんです。「相手は絶対に変えることが出来ない」これさえ自分の中で腑に落としていればまず自分の気持ちがとても楽。相手が変わらないんだったら、自分が変わるしかない。むしろ自分が変わった方がいく分簡単なんです。
これは仕事でもとても生かされました。実際に人材育成の場面で、何度フィードバックをしても変わらない部下に対して、部下の能力や努力にフィルターをかけず、自分のフィードバックにもっと良い方法はなかったか?この子に一番良い伝え方はどんな伝え方だろうか?矢印を自分に向けて考える癖がつきました。「自分を変える」って、とても難しいけれどできるようになるとほとんどの人間関係は、良好になるんじゃないかなあと、今では思っています。
 
 
そして3つ目の「何か問題が起きた時、直接相手と話すこと・まず自分から相手を理解しようとすること」
何か物事が起きた時、本人がいない前でその人のことを「自分が捉えている仮説」で話をすることほど、無駄なものはないと思っています。問題が起きた時こそ、直接本人どうしで話し合わなければ何にも意味がない。本人がいない前で話すこと程意味がないものはなく、それは単純に飲みの席で、解決策のない上司の愚痴をひたすら言う格好悪いサラリーマンと同じだと思っています。
そして話し合いをする時、ただ伝えれば良いわけでもない。まずは相手を理解すること、それから自分を知ってもらうこと。たったこれだけで、問題やトラブルは全て解決すると思っています。
それはとってもシンプルだけど、一般的にとても難しいのかもしれません。私もこれが出来ずに色んな人間関係で失敗したこともありました。失敗を重ねるうちに知ったことは「どうしてわかってくれないんだろう?」ではないこと。「どうしたらこの人のことを知れるだろう」その思考1つで、とても生きやすくなる。それは、ここ・絆家シェアハウスが教えてくれました。
なんといっても、「自分と違う人ばかり」のシェアハウス。違うからこそ、「?(ハテナ)」が生まれる。それは始めは違和感かもしれません。だけど、知って、理解して、理解してもらう。そしてそれを自己完結せず、きちんと相手とシェアをする。そこではじめて絆が生まれるとおもっています。それが「違い」の醍醐味だと知りました。
 
 
そしてここでそれを学んだおかげで、仕事においてもどんなに目上の人や少し強面で萎縮してしまうな・・・と思っていた人にでも、何かあった時に直接本人に話し、その人が何を考えていたのかを知りたい、と伝えられるようになりました。少し勇気はいるけれど、居酒屋で愚痴をこぼしているよりも、直接本人と話した方が気持ち良い。その方が分かり合えるし、その人自身との関係も近くなれる。ただし、ただ自分の思っていることを言えばいい、っていうわけでなく「相手をまず理解しようとする」ことが前提です。
 
シェアハウスで学んだことって、大体仕事でも生かされてました。でも、よく考えればそうですよね。仕事も私生活も自分の生きている時間の延長線上にある場所。ここで学んだことは他でも生かされる。それは本を読むよりも、何十倍も自分の身体で理解出来る、いわば財産にもなります。
 

 

本当の価値を提供したい。シェアハウスの本来の価値とは

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発起人の平岡と結婚後、勤めていたコスメ会社は退職し絆家シェアハウスの共同代表となりました。そして2017年に最愛の息子が誕生。今は、息子・まさしろうと共にのんびりとシェア生活を送っています。
当時15人程度だった、小さな絆家シェアハウスは東京から千葉、大阪まで広がりました。そこではいつも、「おかえり」と迎えいれてくれるファミリーがいる。素晴らしいコミュニティマネージャー(※2)が各ハウスのコミュニティの温度を温めてくれています。
どのハウスにいっても、そこのハウスの温度や空気がある。同じ絆家シェアハウスでも、全然違う。でも、やっぱり違うのが良いんです。なぜなら、コミュニティは人が作るものであり、その人は1人1人みんな違うから。違う温度で、違う空気で当たり前。
だけど1つだけ共通しているのは、ハウスに愛があり、共に暮らすファミリーに思いやりがある。絆家シェアハウスって、優しい人が多いなあーって、客観的に思っています。運営チームなのはおいておいて、一人の人間としてです。
 

次は、子育てをシェアできるハウスを作りたい。それは村みたいな、代表の平岡が話す「100人シェアハウス」構想に近いのかもしれません。子育てをしていつも感じるのは、一人では子育てはできないこと。どんなに可愛い我が子でも、24時間365日ずっと二人で一緒にいると、どうしても息が詰まってしまう。シェアハウスで暮らしていると、息が詰まりそうだなあと感じたらリビングに行けば誰かしらがいて、「まさしろう〜」と声をかけてくれる。私自身、人と話すことでリフレッシュして笑顔で子育て出来ます。
「一緒に子育て」といっても、本当にガチで助けて!というわけではないんです。何気ない日常に「今日も可愛いねえ」と声をかけてくれる、いつものファミリーがいる。ちょっと困った時に、助け合える関係性がある。なによりここは、色んな価値観がある場所。価値観の違う人に囲まれて育つことができたら、こどもは一体どんな大人に成長するのか、今からとても楽しみです。
 

シェアハウスの本来の価値は人です。確信を持って、信じています。
絆家シェアハウスの平均年齢は20〜30代がメインですが、それが更に子育て世代まで広がったら…親もそうですし、なによりこどもが、シェア生活する世の中が当たり前になる世界を目指しています。
色んな価値観を知れる環境が当たり前の世界で育つ子が増えたら、どんなに素晴らしい世界になるのか、今からワクワクします。
 

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(※1 元祖絆家)今はなき、初代絆家シェアハウスのこと。15人ほどの小さなハウスでみんなでDIYして作った思い出のハウス
(※2 コミュニティマネージャー)ハウスのコミュニティ作りを行う中心人物。各ハウスに在住し、ファミリーとしてハウスを盛り上げる
 
 

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PROFILE

絆家シェアハウス共同代表 平岡淑子

1985年生まれ千葉県出身

外資コスメ会社でマネージャー兼ディベロップメントチームとして8年勤めた後退職。発起人でありパートナーの平岡雅史と絆家シェアハウス共同代表を務める。最愛の息子・まさしろうが生まれ、今はまさしろうと共にシェア生活を満喫中。
好きなことは旅行に行くこと。美味しいものを食べること。まさしろうと遊ぶこと。

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