2024-08-30
シェアハウス事業者様からこんなご相談をいただきました。
「入居者の方と一緒に暮らしながら、近い距離感で運営をしています。距離感が近いことでの対応コミュニケーションに難しさを感じています。家族のような近い関係性で過ごしながら、運営者として言うことは言う。という点が難しさを感じています。管理人が在住しているケースはもちろん、在住していない場合の住民のトラブル対応は絆家さんはどのように対処していますか?」
入居者さんと共に暮らすと、家族のような関係性になります。入居者さんと仲良く一緒にシェアハウスを作り上げる関係性って、とても素敵ですよね。
そして「家族のような関係性」とは、どんなあなたでも受け入れてあげる。許してあげる。そんな関係値であることが多いですよね。でも、この関係値を一緒にして管理対応を行うと、複雑になってしまうんです。
この事例は、特に入居者さんとお友達のような関係性の方(距離が近い事業者)、小規模事業者様によくご質問をいただきます。
実際にご相談いただいた事業者様も、「入居中の方の救急対応」「ご入居者様が精神的に安定していない際のコミュニケーションサポート」などの通常の管理業務外までご対応されていたとのこと。
きっととても優しい事業者さんなんだと思います。
でも、事業をよくしていくためには強さが必要。そして運営者がしっかりシェアハウスを守る「守り方」を決めながら事業構築をすることが大切です。下記、参考になれば嬉しいです。
Contents
例えば「入居者様のトラブル対応に時間がかかってしまう」の例を具体的に挙げると
「ルールを全然守ってくれない」「反発をされてしまう」「何度も同じことを守ってくれず、時間を取られてしまう」「話が長く、時間がかなりかかってしまった」など・・こんな相談を受けることがあります。
この原因のほとんどが
「運営者側が具体的に先に解決までの対応方法を決めていない」
そして
「入居者様の感情や背景、関係性に合わせた対応をしている」
ことが多い印象です。
私たち運営者は、入居者様全員に安心して暮らしていただくために「トラブル時の対応方法」はどんな方に対しても一貫性を持った対応を進める必要があります。特に個人事業主の方、距離感近く運営されている方は、この点を先に決めず、一人のご入居者様のペースや価値観、感情に寄り添うことを優先しすぎることで、解決まで時間がかかりすぎてしまうことがあります。
すると良いことはあまりなく、他の入居者様の不安や疑問につながってしまうことや運営者の疲弊に繋がってしまうんですね。
以前、ご相談にあった別の方のケースなのですが、
「家賃未納が続いてなかなか連絡も取れない。対応に時間がかかるし、退去させるのもどうしたら良いかわからず困ってしまっている」とご相談いただいたことがあります。
家賃滞納に限らずですが、「対応の流れを決めてないから入居者さんのペースで迷ってしまう」のです。
例えば絆家では、1回目の未納の際の対応方法・2ヶ月連続の滞納の場合の対応方法・契約を解約いただく際のフロー、すべて決まった管理マニュアルを用意しています。
そして対応マニュアル通りに進めていきます。
シェアハウスのトラブルは非常にシンプルです。
騒音・家賃滞納・清掃ルール・入居者トラブル・盗難やセクハラなど契約違反項目
きっとどのシェアハウスでも、トラブルになり得ることはこの内容くらいではないでしょうか。
想定できるこの5つのトラブルを、それぞれ対応マニュアルを用意します。
具体的にひとつの対応にかける時間数までを決めます。
優しい事業者様ほど、入居者さんのペースに合わせて時間を無限に使ってあげることがあるのですが、私たち運営者の時間は有限です。なるべく少ない時間で、早く解決できることが理想ですよね。
起きたその時その時で対応方法を決めると、結果解決できず長引いてしまう。と言うことも多いので、まずはこの対応マニュアルを徹底して決めましょう。
ルールや運営対応方法をしっかり一貫性を持って決める。
しかしながら、距離感が近く運営をされている場合、決めたとしても仲の良かった入居者さんだから伝えずらい・・・対応しずらい・・。という点もあるかと思います。
その対応しずらさは、入り口で8割なくすことができます。
「トラブルが起きた際の対応方法を先に提示して理解した状態で」ご入居いただくことを徹底してください。
これだけです。ですが、ここをしっかりお伝えしておかないと、
、優しかった運営者さんが、いきなりルールが守られてない時だけ厳しい・・・という風に見られてしまうケースも起こりえます。
ご入居時すべてのご入居者様に運営者のスタンスを理解いただいた上で入居いただくことで、
万が一トラブルが起きた時に「入居時にもこのように伝えさせていただいていたけど」「シェアハウスのトラブルの際のスタンスは、00さんも理解してくれて入居してくれていると思うけど」
と言う、相手も「すでに理解して入居している」ところから話し合いがスタートできます。
「優しいか」「厳しいか」ではなく、入居者さんが契約やルール、スタンスをどれだけ「理解しているか」です。入居者さんにどれだけこちらの方針に理解いただいているか。共感度の高い方だけにご入居いただいているか。まず入口を徹底するとトラブルはそんなに起きないですし、万が一トラブルが起きたとしてもほとんどのケースでトラブルが長引くことはありません。
絆家の場合、年間のトラブルは1ハウス平均0.8件。年間1件以下の実績を出していますが、トラブルが少ない理由は「入口」「契約」「スタンスの徹底」が理由です。この入口はお人柄、と言うよりも、「こちらのルールを守れるか」「契約を理解しているか」で、審査項目を設けるようにしています。
もう一つ、入居者さんに先に理解して入居いただく必要があることは、
「運営者側とのコミュニケーションスタンス」です。
これは、小規模物件の事業者様によくあるケースですが、「運営者が暮らしながら距離感近く運営する」ケースは特に大切ですね。
運営者として個人との関係性と、運営者との関係性は180度違う立ち位置にあることを、運営者が理解しておかなければいけません。
入居者さんと同じ立場である自分は、なんでも許して受け入れてあげる家族のような関係性。
物件を守るすべての入居者様を守る運営者の立場は、規律性と責任での入居者さんとの関係性があります。
運営者がこのことをきちんと理解し、ちゃんと分けておく必要があるんですね。(優しい、厳しい、ではなく、そもそも関係性構築の仕方が180度違う。と言う点です)
特に事業においての責任範囲が大きい方でシェアハウスに住まわれている場合は、その役割の2つの自分の違いを、ご入居者様に伝えておくと良いかもしれませんね。
「一緒に暮らす同じ立場としての自分」はこんな自分でコミュニケーションを取ります。
「運営管理責任者として暮らす立場の自分」は、こんな自分でコミュニケーションを取ります。
その二つの役割を同時に担って暮らしていること。を運営者が理解する。そして
「運営者としての信頼」
「一人の入居者としての信頼」
分けてそれぞれの関係性を育むようにすることをお勧めします。
私たちはいろんな役割、関係性の自分がいます。
「母親の自分」「職場の上司の自分」「家族の中での娘の自分」
いろんなコミュニティでの自分の役割や肩書きがあるように、シェアハウスの中で二つの肩書きが混在してるということを理解した上で、その肩書きごとの自分を育んでいけたら良いかもしれませんね。
「優しい」「仲が良い」「厳しい」「ちゃんと言う」と、自分を一つの括りで関係性を構築するのではなく、
あくまで二つの役割を別々として、入居者さんとそれぞれの役割ごとでの関係性を構築していく。
そして運営責任者である以上は、「運営者での自分」での信頼関係構築が先です。
代表の平岡も10年暮らしの中から、今は入居者様たちとは「絆家代表者としての自分」での関係構築を何より大切にしています。
その関係性が成り立っている上で、一人の平岡としていろんなことを協力してくれる入居者さん、仲良く声をかけてくれる入居者さん、ご飯食べようとフラットにコミュニケーションをとってくれる入居者さんがいる。
そう思うと、より、距離近く接してくださる入居者さんへの感謝が深くなります。
代表者でありながら、その関係値でのコミュニケーションをとってくださり、契約やルールをお守りいただき、尚、一人の平岡としてフラットに接してくださる入居者さんの存在って、本当に当たり前じゃないと思います。暮らしていただいている感謝が本当に深くなりますね。
参考になったら嬉しいです。
ここまでお読みいただいてありがとうございました!
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【《シェア活》とは?】
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【テーマ:こんなことをお話します!】
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《2》1000室でも高稼働で運営!WEBを生かしたシェアハウス集客術
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《3》もうシェアハウス運営で困らない!入居者トラブルを回避し稼働率を上げるコミュニティ運営術
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【座談会&ディスカッションタイム有り!】
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ゲストトークの途中には、実際にさまざまなシェアハウスを運営をしている(またはこれからしたいと思っている)参加者様同士で、ディスカッションタイム!
「シェア活!」はシェアハウス事業者様・物件委託先を検討するオーナー様・これからシェアハウス事業を検討される方はどなたも大歓迎のイベントです。ぜひお気軽にお越しください。お会いできることを楽しみにしています!
kizunaya