3月12日、オンラインスクール「あの時の自分へ、手紙を書こう」が行われました。この日は、未来の手紙カルチャーブランド「自由丁」蔵前店 店長である山本夕紀さんをゲストに迎え、過去の自分へ手紙を書くワークショップを開催しました。
皆さんは、絆家シェアハウスが開催しているオンラインスクールに参加したことはありますか?
絆家オンラインスクールは入居者の皆さん限定で無料で参加できる講座ですが、毎月さまざまなテーマでユニークな講座が開催されています。実際に今回のイベントの様子を、ご紹介します!
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主催の山本さんは一番初めに、私たちにそう促しました。
手紙を書く場面があるため、筆記用具と紙を用意してください、と事前にアナウンスもあり、紙にアウトプットすることへのこだわりを感じた瞬間でした。
また、紙に文字を書くこと自体が久しぶりな気がしました。普段の生活では、スマホやPCを使用することが多いため、紙に文字を書く事自体が久しぶりでした。日常生活でペンを握る場面といえば、役所などで手続きをするときや、宅配便のサインをするときなど。
機械的な作業として文字を書くことはあっても、自分の気持ちや考えを書き出すことや伝えることは、かなり減っているので、紙に文字を書くというこの機会は貴重でした。
手紙を書くことへのハードルを下げたのは、山本さん。山本さんの優しい話し方から作られた雰囲気のおかげで、スラスラと文字を書けたのです。
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「自由丁」には、<素直な気持ちと日々を味わう>というブランドテーマがあることを山本さんが話してくれました。歌を歌う、絵を描く、など表現方法はたくさんありますが、この場所では<手紙を書くこと>で表現する、そんな時間です。
山本さんからの過去の自分へ手紙を書く際のアドバイスは、1年以上前の自分が良いとのこと。なので、私は俯瞰して自分のことを見たり振り返ったりしてみました。
高校生の文化祭のとき、小学生の下校してるとき、社会人1年目でいきがってたとき…。過去を行ったり来たり、音のボリュームをコントロールするフェーダーを動かすように、今までの自分を飛び交うように自分自身のことを振り返ってみました。
そこで、20~23歳の頃の私宛に手紙を書くことにしました。この頃のわたしが、今の活動スタイルのベースになっていると直感的に思ったからです。新しい仕事に挑戦しはじめた時期で、とにかくシャカリキだったころだと認識しています。
おもしろかったのは、「高校3年生」に設定した人が2人いたこと。
育ってきた土地や、触れ合ってきた人も違うはずなのに、同じ年頃に何かを感じたのだと想像すると不思議な気持ちになりました。
山本さんは「みんなバラバラでおもしろい」と仰っていました。
どうやら今回のワークショップでは、個別具体的な話や体験がキーになってきそうです。
・その時期にどんなことがあったか思い出してみましょう
・心に残っている出来事について詳しく考えてみましょう
続いて、個人で自分について考えるワークへ。いつ、どこで、誰と、何があって、どんな会話をしたかなど、詳しく思い出してみることに挑戦しました。久しぶりに思い出したあの人、急に思い出したセリフ、夕日が差し込む自分の部屋など、細かいところまで想像したのは私だけではなかったはずです。
自分との対話が終わると、お次は2人組になってシェアしながら考えを深めるワーク。2人組のワークでは、詳細な話になるほどにおもしろさを感じて、もっと聞いてみたいと思ってしまいました。相手の体験や考えに興味がわいたり、思いに寄り添ったりする良い時間でした。
最後は、過去の自分に宛てた手紙を書く時間へ。15分間、ゆっくりとした時間が流れていました。山本さんセレクトの癒し系ミュージックを聴きながら、手を動かしていきます。
これは初めての感覚でした。自分自身に素直に向き合う時間。
自分自身を振り返る場を作って、さらに他の人のたくさんの意見や考えに触れられたので、「自分に手紙ってどういうこと?」と思っていた私でも手紙を書くことができました!
「手紙」とは、自分以外の誰かに向けて書くものだと思っていたのですが、固定概念が覆された貴重な体験でした。
その後は書き終えた手紙の内容をシェアします。他の人の手紙は、前向きな内容が多かったのが印象的でした。みんな何かしらの気持ちの変化を感じながら手紙を書いたんだな、というのがのが伝わってきました。
書いた内容をシェアするのは楽しかったが、数日後に読んだらちょっと恥ずかしいかもしれないと感じました。普段思ってても言葉にしてなかったことを文章にしたことで、自分が今まで見ないようにしてきたことや(隠す気はなくても)隠してきたことが可視化された、良い体験でした。しかし、恥ずかしいと思えるほど自分自身に向き合うことができたので嬉しかったです。
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ここで、この記事を読んでいるあなたも少し思いを巡らせてみて欲しいです。
周りの人からもらったうれしい言葉や、応援の声が支えになっている経験、励まされた経験がきっとあると思います。山本さんは、周りの人からの言葉以外に励まされた経験があったとわたしたちに伝えてくれました。
「自分で書いた言葉に、いつかの自分に励まされたことがある」
そう話してくれました。また、「最も自分を支えているのは、自分なのかもしれない」とも話していました。数時間前までは白紙だったものが、手紙としてわたしたちの目の前にあります。差出人は自分、宛先も自分。この手紙には、自分を支える言葉やメッセージが入っているのだと信じたいです。
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今回の参加者は、7名。
「高校3年生の自分へ」が2通、「20~23歳の自分へ」「社会一年目の自分へ」「シェアハウスに入るのを決めた自分へ」「10年前の自分へ」「起業した時の25歳の自分へ」など・・それぞれ1通ずつ、計7通の手紙がしたためられました。
今回のイベントで書いた手紙を読み直したとき、私たちはどんな気持ちになるのでしょう。そもそも、どんなタイミングで読み直すのか、自分にも期待してしまいます。自分の暮らしや、一緒にいる人たちに変化はあるのか。どんな選択をしてそこにたどり着いたのか。
もしかしたら、未来の自分が、過去となった今日の自分に向けて、また筆記用具と紙を用意し手紙を書いているかもしれないですね。
そんな風にじんわり暖かい気持ちを味わうことが出来た、オンラインスクールの時間でした。
kizunaya